温かいもの

私は体格も良く、体も丈夫な方で、
たまに風邪を引くくらいで、
ほとんど病気をしたことがありません。
あまり細かなことを気にしない性格ですが
裏を返せば繊細さに欠けるのだと思います。

今年の1月、誕生日の次の日に高熱でダウン。
2日間熱が下がらず・・・
熱が2日も続いたのは初めてでした。
3日目でようやく下がりましたが、
次の日が岡山出張だったので
その準備のためにほとんど寝ないで
そのままGO!
へろへろの状態で、なんとか3泊4日の出張を終えて
夜中に帰ったら、あの悪夢が・・・

食事がなかなかできない状態が続きました。
心も体もクタクタで、食べることよりも横になりたい。
睡眠はよくとれていたと思いますが
食べられないのです。
そういう時に素直に受け入れられたのが
おかゆとお味噌汁でした。
不思議ですがおかゆと梅干が
体調の悪い時にはなんて美味しいことか。
添加物食品は全く受け付けませんでした。

DSC_0246

お味噌汁は(宣伝するわけではありませんが)
茅乃舎の出汁に助けられました。
野菜やキノコなどの具沢山味噌汁は本当に美味しく
豆乳を入れたり、おじやにしたりが、ずっと続きました。

とにかく温かいものに癒されました。
ホカロンを4〜5枚貼っても寒く、
白湯が本当に美味しく、
こんなにお風呂がありがたいと思ったことは
ありませんでした。

主人はいつも足が冷たいといっては靴下を重ね、
寝る時も寒い寒いと沢山着込み
1日に何回もお風呂に入っていました。

私は体が弱っていた主人に
もっと気遣ってあげるべきだったのです。
自分が体調を崩して初めて主人が
どれだけ辛い思いをしていたかに気づきました。

主人はまるで欧米人のように
愛の言葉やスキンシップを求める人でしたが
私は適当にあしらっていました。

主人は体も心も弱っていたので温かいものが
無性に欲しかったのです。
そのことに今気がつくなんて・・・
本当に申し訳ないことをしてしまいました。

カテゴリー: 編集長の雑談やお知らせ | コメントする

父ちゃんの桃の花

我が家のベランダに花桃の木があります。
主人の父が大事に育てていた桃の木を、
主人の姉(弘子姉さん)が嫁ぎ先で挿木して増やした
小さな木をいただいたものです。
それからずいぶん経ち、数年前に突然蕾がつき、
濃いピンクの、えもいわれぬような綺麗な花をつけました。

うちでは「父ちゃんの桃の木」と呼んで、
毎年咲くのをとても楽しみにしていました。
今年は特に花が多く、
こんなにたくさん咲いたのは初めてです。

20170407-2

今満開です。

満開の桃も綺麗ですが、
桃は蕾から咲き始めがなんとも言えません。
嬉しくて毎日写真を撮っていました。

20170402-2
20170404-3
20170405-3
20170407-1

桃の花の花言葉は「あなたのとりこ」。
多産を表す木でもあり、男性に桃の花を贈ることは
バレンタインのチョコ以上に
深い意味が込められていたようです。
今日そのことを知りました。

4月10日

カテゴリー: 編集長の雑談やお知らせ | コメントする

あの日から・・・

ようやくブログを書く気持ちになれました。
というより、書かなければという決意かもしれません。

今年の1月21日、主人が突然逝ってしまってから
気がついたら桜の季節になっていました。
岡山の出張から帰ったら、主人が倒れていて
次の日、あっという間に逝ってしまったのです。
何が起こったのか、なんでこうなったのか・・・

直接の死因は「敗血性症ショック」
初めて聞く病名でしたが、免疫が低下して合併症を起こし、
血圧が急激に低下するというものでした。

161204dr_081

主人とは40年ずっと一緒でした。
子供がいないので二人だけの暮らし。
Textile-Treeを立ち上げてからは、
ほぼ24時間一緒のようなものでした。

たくさんの時間を一緒に過ごしてきたのに、
甦るのは、倒れていた時からお葬式までのあの時間。
病院に運ばれ、検査中に血圧が急低下し、
すぐに救急救命に変わり
お医者様から「延命処置をしますか」と決断を迫られ
どうしていいかわからず、、、
主人の手をずっと握っていて、そのまま
お医者様から12時45分を告げられました。
まるで夢を見ているような1日でした。

DSC_0124

それからすぐ、お葬式の手配を迫られましたが
冷静に判断することなどできません。
友達や妹の力を借りて、
なんとかお葬式までこぎつけました。
映画やドラマのようなことが
自分の身に起きるなんて、、、

そのあとも過酷な状況は続きます。
悲しむ間もないような、山のような仕事に追われ、
必死でクリアしながら現在に至っています。
もしかしたら仕事の忙しさに
助けられているのかもしれません。
妹も週2〜3回、千葉から手伝いに来てくれています。
主人の姉兄弟や、友人たちも暖かく支えてくれています。
今はみんなに支えられながらなんとか元気でいます。

IMG_0002

あの時、こうすれば、もしかして・・・
どうしてもっと主人にああしてあげなかったのか・・・
そんなことを思うと涙が止まりません。

けど、一つだけわかるのは、
主人は私のことが大好きで、
いつもそばに一緒にいたがっていたこと。
だからきっと、ここにいるのです。
いつも私のそばにいるのだと思います。
出かける時は、主人と一緒に出かけます。
主人にいつも話しかけます。
主人がして欲しいこと
したかったことをしてあげたい。
できなかったことをしてあげたいと思っています。

DSC_0160
DSC_0209
DSC_0204

主人は私と一緒に近くの公園に
おべんとうを持ってお花見に行くのを
とても楽しみにしていました。
今年もその季節がきました。
一昨日はまさにお花見日和。
お弁当作りを頑張って、
妹と3人で出かけました。
「ごっつぉさんだね」
主人の嬉しそうな声が聞こえます。

DSC_0174
DSC_0179

主人は私の中で一緒に生きています。
だから主人の分まで元気で、いい仕事をして
主人が誇らしく思えるような生き方をしていこう。
たくさんたくさん泣いて、
今はようやくそう思えるようになりました。

昨年の12月に、初めて主人と一緒に写真を撮りました。
一緒に仕事をしているカマラマンさんが
撮ってくれたもので、最初で最後のツーショット。
素敵な笑顔の主人を残してくれました。

今思えば、まるでこの日がわかっていたかのような
不思議な出来事がたくさんあります。

1月から、ブログもfacebookも止まったまま。
けれど今日から再開です。
今までお世話になったみなさん、
本当にありがとうございました。
そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

2017年4月7日。

DSC_0198
DSC_0199

カテゴリー: 編集長の雑談やお知らせ | コメントする

2017年新年おめでとうございます

あけましておめでとうございます

青空が広がる、まさに日本晴れの
素晴らしい元旦となりました。
お日様が眩しく、新たな年のパワーを感じます。

2017年賀状

いつものことながら、慌ただしく新年を迎えましたが、
少しでもやることを終えて新年を迎えるのは
本当に気持ちのいいものです。
振り返ると、
毎年新しいことにチャレンジできたことは
本当に幸せだと思います。
ここ数年は、やるべきことを使命感を持ってやってきましたが
今年は「自分がやりたいこと」にも目を向けようと思っています。
そろそろ、そういう時期かな・・・と。

スクリーンショット 2017-01-01 9.46.06
今年の年賀状は、弘子姉さんの布絵の
「つばき」という作品の部分です。
この作品は、椿の花に歌人だった
父親・橋本信蔵の歌を飾り、
掛け軸にしたものです。
弘子姉さんの数少ない花の作品の一つです。
暗い氷雨に濡れながらも
力強い真っ赤な花を咲かせる椿が描かれています。

生きの世の
さだめきびしく
たばしれる
氷雨に濡れて
咲きつぐ花は
(信蔵)

IMG_3122
ふと気がついたらベランダにビワの
白い花が咲いていました。
冬に咲く目立たない花です。
5月か6月頃に美味しい実になります。
ビワは実がなるのに10年以上かかるといいます。
冗談半分で種を植えたら芽が出て大きくなりましたが
実がなるようになったのは
10年以上かかったような気がします。
1月生まれの私には、
なんか自分のことのように思えてなりません。

どうぞ皆さまとともにいい1年でありますように!
そして今年もどうぞよろしくお願いいたします。

カテゴリー: お知らせ, 作家の紹介 | コメントする

レジェンド穂積和夫さんのクロッキー会

穂積和夫さんファンにはたまらない、
夢のようなクロッキー会が
10月 2日(日)・11月6日(日)の
2回シリーズで行われました。

クリエイターズソサエティーと
ASABI(阿佐ヶ谷美術専門学校)
コラボして実現したもので、
今年86歳になる穂積さんから
直接教わることができるというので、
参加者の期待も高まっていました。

DSC_0224 2
・・参加者のみなさんと記念写真!
帽子をかぶっている穂積さんの前にいらっしゃるのが
主催者の本告純子さん。その左がASABIの古川流雄先生・・

DSC_0104
・・新高円寺にあるASABI。校舎はアート専門学校らしい
クラフト感があちこちにあり、新鮮!・・

DSC_0105 DSC_0125
・・クロッキー会が行われた3階のデッサン室。
屋根からも自然光が入る気持ちのいいアトリエです・・

まず、穂積さんがどれだけすごい方かご紹介します。
60年代や70年代にアイビーを経験した方でしたら
アイビーファッションの先駆者として、
『アイビーボーイ』のイラストレーターとして
よくご存知かと思います。
しかし、アイビーボーイのキャラクターを描く
イラストレーターだけではないのです。
『つなぐ通信』Vol.5
・・2014年春号の『つなぐ通信』の表紙を飾った
穂積さん。この素敵な出会いがきっかけ!・・

DSC_0229
・・相変わらずダンディな穂積さん。
以前、元気で長生きの秘訣は「オシャレすること」と
教えていただきました。こんな86歳、憧れます♪・・

元は、東北大学の建築学科を卒業した建築家。
長澤節に師事して絵を学んだのが
イラストレーターになるきっかけになりました。
『メンズクラブ』の正統派のメンズファッションイラストを描いたり、
車好きの方には車のイラストレーターとしても知られています。

_1110943-dummy
アイビーボーイ01
・・ご存知「アイビーボーイ」・・

_1110945-dummy
・・正統派のメンズファッションイラストや、車のイラスト、
建築まで、知識と絵のうまさは定評があります・・

また、建築で培った専門知識を生かし、
法隆寺や江戸の町並みなどをイラストで描くなど、
多岐に渡り活躍し、なんとイラストレーター歴60年以上。
まさに「レジェンド」の名にふさわしい
イラストレーターなのです。

江戸の町(下) 法隆寺01 法隆寺02

東北大の建築学科を出て、その後建築の道を
中断してしまった穂積さんは、
国から補助のある“国立大”で学ばせていただきながら、
その知識と技術を社会で活かせなかったことに
負い目を感じていたのです。
『法隆寺』や『江戸の町』などの出版物で
建築関連のイラストを描いたことで、
「少しはお返しができたかと思う」と話されていました。
法隆寺のイラストを描くにあたり、自分で模型を作ったといいます。
今では3Gコンピュータで簡単に描けますが、
穂積さんの絵は、建築の知識やデッサン力がないと描けない
本物の絵です。

IMG_2508
・・まるで日本画家が描いたのかと思うような
舞妓さんの絵。もちろんこれも穂積さんの絵です・・

DSC_0101
取材したのは、11月6日。
2回目の方と初めて参加される方が
いらっしゃいましたが、ほとんどが、
現役のイラストレーターやデザイナー。
中にはスタイル画の先生や油絵の絵描きさんなども
いらっしゃいました。
なんらかの形で絵に携わっている方や、絵の大好きな方で、
現役の高校生もいらっしゃいました。

DSC_0102

もちろんみなさん穂積さんよりは年下。
プライド(?)は脱ぎ捨てて、
リスペクトしている穂積さんから
何かを学んで行こうと、真剣。
穂積さんがどんな描き方をし、
どんな着色技法を使っているのか、
自分の描いたクロッキーを、どう評価して
アドバイスしてくれるのか・・・
そんな期待感でスタートしました。

DSC_0112
DSC_0115

まずはじめに、穂積さんから画板の持ち方から
説明を受けます。
「クロッキーは基本的に立って描くこと。
自分の足を三脚にして固定する。
描きたいポジションを遠慮しないで探すこと。
鉛筆は字を書くような持ち方で、
影をつけて描くのではなく、線で描いていくこと」
などが話されました。

DSC_0119
クロッキーは、だいたい10分〜15分程度で、
休憩を挟み3時間で7ポーズが描かれました。
穂積さんは、みなさんが描いている途中から
着色に入ります。
最初に描いたこのクロッキーは、
あまりお気にめさなかったようで、
完成品にはしませんでした。
自分のサインを入れる絵は、そう多くはないと
話されていました。

DSC_0123
DSC_0144
2つ目も立ちポーズです。
時間を重ねると、若い方でも立って描くのが
辛くなり、座る方が増えましたが、
穂積さんは必ず立って描きます。
その立ち姿が、実にカッコイイのです。
気がついたのは、絵がうまい方は、
立ち姿もカッコイイなあって!!
きっとたくさん描いているので、
自ずと自分の立ち姿というのが
できているのかもしれません。

DSC_0127
DSC_0167
休憩中に穂積さんの着色がはじまり、
みなさんが周りに集まってきます。
「水彩は、引力で水が下に流れるので
着色するときは、画板を斜めにすること」
「顔を塗るときは少し暗い色を使用した方が引き締まる」
「影をつけるような塗り方はしない」
などと話しながら、着色していきます。
ずいぶん久しぶりに描いた水彩画のようでしたが、
描くほどに勘を取り戻している様子です。

DSC_0136 DSC_0138
モデルさんへのポーズのつけ方も
穂積さんは細かく指示します。
納得の行く美しいポーズを探しているようです。

DSC_0154 DSC_0152
顔は先にきちんと描いてから全体を描いていった方が
雰囲気を掴みやすいようです。
感情移入して描けるということかな?

DSC_0166
この絵は、モデルさんの個性をとてもよく表現していて、
今回のクロッキーの中で一番好き♪

DSC_0156
そろそろ座って描く人も増えている中、
穂積さんは相変わらずしっかり立って描いています。

DSC_0163
DSC_0165
肘のところなど、洋服のシワのあるところは丁寧に描き、
ストーンとまっすぐ下りているところは
勢いをつけて描くことが大事と話されていました。

DSC_0162
この筆は中に水を入れて描く筆。
パレットもどこにもあるようなオーソドックスなもの。

DSC_0175
5回目は、エスニックなポンチョスタイルにガラリと変身!

DSC_0182 DSC_0181
DSC_0184
全部着色しないこともあります。
後でゆっくりディテールを描き込むことも
あるようです。どこまで描きこむのか
その兼ね合いが難しい・・・

DSC_0186 DSC_0191
DSC_0197 DSC_0199
グリーンの帽子とジャケットなのに、
穂積さんはパープル系に着色。
あっ、自由でいいんだ!

DSC_0208
難しいポーズだけど、
美しいポーズに描かれています。

DSC_0202 DSC_0206
最後の7つ目のスタイにポーズをつけます。
さすがに穂積さんは自分で描くのは疲れたようで、
みなさんの絵をみて回りながらアドバイスを!

DSC_0195
DSC_0201
クロッキーの休憩時間に、
参加者のみなさんは、ご自分で描かれた絵を
穂積さんに見ていただき、アドバイスをいただきます。
上手な方だなあと思う方にも、
「あなたはモデルを見ないで、
自分のイメージで描いていますね。
もっとモデルをよく見て描いてください。
漫画家さんは、何も見ないでも
ささっと絵を描けてしまいますが、
そういう絵は、つまんないんですね」と、手厳しい。

DSC_0189 DSC_0196
DSC_0169 DSC_0168
もちろん「いいですね!
このままどんどん描いていってください」
と褒めてくれることや、
「バランスをもっと見るように」
「もっとゆっくり鉛筆を動かして描くように」
「細かな線で描くのではなく、
よく見てもっと大胆に描くように」など、
その方にあった、ワンポイントアドバイスが多い。
余計なことを言わなくても
その一言だけでグーンとよくなるようです。

DSC_0211 DSC_0171
DSC_0212
最後は穂積さんと一緒に記念撮影をして、
この後は、近くの居酒屋で懇親会!
穂積さんはあまりお酒は強くないので、
1杯飲んだだけですが、
今回のクロッキーの会がとてもいい刺激になったと
喜んでいらっしゃいました。
やはり、正直86歳にもなると、
心身の衰えを感じることが多くなり、
怪我をしたり、気分が落ち込むことも増えたといいます。

DSC_0215 2 DSC_0232
外にでることが億劫になったりもするので、
こうして、自分が教える立場で
意欲ある方と接するのは、やる気が出て嬉しいと
話されていました。
体調さえよければ、ぜひ来年、少し暖かくなってから
第3弾を!と盛り上がり、楽しく終了しました。
とてもいい会を取材させていただき
ありがとうございました!

それにしても、
クロッキー描きたくなってしまいました・・・

※取材協力ASABI(阿佐ヶ谷美術専門学校)

カテゴリー: 作家の紹介 | コメントする

rooms33」Vol.1「mmpascual」とアンデスのテキスタイル「Aguayo(アグアヨ)」

「rooms33」(9/14~16)最終日に出かけました。
展示会で、オリジナリティがあり、完成度の高い作品(商品)に
出会えると嬉しいものです。

DSC_0117

今回一目惚れしたのが、アルゼンチンの
『mmpasucual(mmパスクアル)』というアクセサリーブランド。
アーティストは、Marcela Pascual(マルセラ・パスクアル)と
Marina Pascual(マリーナ・パスクアル)の姉妹です。

目を引いたのは、金属パーツに埋め込まれた
カラフルなテキスタイルの美しさ。
織りのような、編みのような、刺繍のような・・・
それでいてどこか懐かしいような・・・いったいこれは何?

DSC_0113
・・工房で一つ一つ丁寧に作られたアクセサリーで、
留め具もなどのパーツも手作りで、まさに作家モノ!・・

実はアンデス地方で見られる「Aguayo(アグアヨ)」というもの。
「Awayo(アワイヨ、アワヨ)」という呼び名もあるようです。
アルゼンチン、ボリビア、ペルー、チリなどのアンデス地方の
先住民のインディオの伝統的な織物で、
ストライブ状に色や柄を織り込んだもの。
写真を見ると“あっ、これか”と思うでしょう。
マンタ(マントウ)と呼ばれる掛布にして、
子供をおんぶしたり、荷物を背負ったり、部屋を飾ったりと、
多様な使い方をします。ポンチョなどもあります。

アンデス01
アンデス02
アンデス03
・・この写真は、1987年にペルーに行った時に撮影したもの。
この当時で、安いお土産物のマントウは、化合繊・化学染料で
織られたカラフルなものが売られていました・・

本来はアルパカなどの毛を紡いで、草木染料など
天然染料で染めたもので、赤色はサボテンなどに付く
カイガラムシの鮮やかなコチニール色素が用いられます。
媒染技術が発達していたアンデス地方では、
生地に破損があっても、発色の良い色は
100年後もしっかり残されているのです。

現在は、化学繊維や化学染料を用いた鮮やかなものもありますが、
本来は、家族のために糸を紡ぎ、
天然染めをし、手間と時間をかけて織り上げ、
子供が生まれた時からずっとそれを使用していくものです。

DSC_0112DSC_0116

マルセラとマリーナ姉妹は、
アンティークの伝統的なインディオのAguayoを用い
自分たちの工房で、アクセサリーとして蘇らせました。
パーツ一つ一つを手作りで、ハンダ付けしながら
Aguayoのピースを作り、丁寧にはめ込んでいきます。
アンティークのAguayoと金属パーツのアクセサリーは
鮮やかな色とテクスチャーの組み合わせが抜群に美しく、
しかも金属パーツのアート性や完成度が
非常に優れているのです。

アトリエの様子をこちらのYouTubeで見ることができます。↓

私もどれにしようか色々迷って購入しましたが、
1個じゃ物足りなかったと、ちょっと後悔です・・・

最近はきものや帯などの日本のテキスタイルや
手仕事に優れた民族調の伝統素材を“リフォーム”や
“アップサイクル”するクリエーター(と呼べないレベルの方も)
が増えましたが、元の素材の素晴らしさが
生かされたものに出会えるのは、そう多くはありません。
そこに自分のオリジナリティと
クリエーションの完成度がともなっていないのです。
先人の手仕事をリスペクトし、
自分の手仕事とクリエーションをコラボレートする
そういう作品に出会えると、本当に嬉しくなります。

カテゴリー: ちょっと感動の企業や商品の取材, 作家の紹介, 素材や本の話しあれこれ… | コメントする

『神様たちの街』『徘徊 ママリン87歳の夏』

高齢化社会の生き方のヒントになる
(これからの生き方のヒントになる)
2つの映画が上映されています。

神様たちの街
『神様たちの街』
神戸で戦災・震災を生き抜いた人々の爆笑ファッションショー。
阪神大震災(1995年)10年を契機に神戸市兵庫区で始まった
「兵庫モダンシニアファッションショー」は、
昨年12月で11回を迎えました。

IMG_1937 2
・・・見寺貞子先生の2016年6月1日読売新聞記事・・・

アドバイザーとして
第1回から着こなしや衣装の製作指導をしているのが、
神戸芸術工科大学の見寺貞子(みてらさだこ)先生です。
スタート当初は、シニアのファッションショーを
なかなか理解していただけず、
観客20名というところからのスタートでしたが、
昨年は約300人も詰め掛けたといいます。
ショーに出るのが生きがいであり、
みんなで笑い合い、来年も元気で会おうねと励まし合い、
そして何より自分たちを叱咤激励し、
ここまで引っ張ってくれた見寺先生を喜ばせたいと、
みなさん頑張るのです。

IMG_1940 2
・・・見寺貞子先生(左)と田中幸夫監督(中)。
田中監督の着ているのは、大島紬の着物を
リフォームしたシャツ。見寺先生と
研究室チームが作ってプレゼントしたもの・・・

IMG_1936
・・・上映初日のため、『神様たちの街』上映の後には、
田中監督と見寺先生の舞台挨拶がありました・・・

その見寺先生とご縁があったのが、
社会派のドキュメエンタリー映画監督として知られる
田中幸夫監督です。
日本最大のドヤ街であり、同和地区で知られる
大阪市西成地区で暮らす人々と、
彼らを支援する人々に密着した
『未来世紀ニシナリ』(2006)。
同性愛、SM、身体改造など、
セクシャルマイノリティのドキュメンタリー
『凍蝶圖鑑(いてちょうずかん)』(2016)、
『徘徊 ママリン87歳の夏』(2015)は、
認知症の母を抱える娘と、
その母のズレまくり会話の
大爆笑の認知症ドキュメンタリー映画です。

凍蝶圖鑑
『凍蝶圖鑑(いてちょうずかん)』(2016)

徘徊
『徘徊 ママリン87歳の夏』(2015)

IMG_1933 2
・・・劇場には新聞や雑誌などの紹介記事も・・・

その田中監督は、
はじめは“年寄りのファッションショー”には
興味がなかったようですが、
戦災や震災を生き抜いた“逞しい年寄りたち”の
前向きな生き方に惹かれ、見寺先生の人柄に惹かれ、
映画を撮りたいと思ったといいます。
田中監督は、大震災の時にも助け合い、
励ましあってきたこの素晴らしい神戸の人たちや、
徘徊の母を近所の方たちみんなで見守ってくれた社会を

「上質な庶民」と表現します。

とてもいい言葉です。
歳をとることも、認知症になることも、
認知症と向き合うのも、
楽しめば、まあいいか・・・。
人にちょっと優しくして、ちょっとおせっかい焼いて
死を迎えるまで、精一杯生きようかな!!と、
ちょっと思えた映画でした。

7月2日(土)~7月15日(金)
新宿K’s cinema
『徘徊 ママリン87歳の夏』
『神様たちの街』
http://www.ks-cinema.com/

IMG_1943
・・・田中監督(左)と『凍蝶圖鑑』を製作するきっかけを作った
大黒党ミロさん(右)。ミロさんは、当時性的マイノリティの
人たちの集まるバーを経営していて「なんで私たちを撮らないの」
と言われたのが、映画製作のきっかけといいます・・・

IMG_1944
・・・ミロさんも映画にはドラッグクイーンとして参加しています。
プランナー、プロデューサー、そして漫画家として『薔薇族』
などにも描いている、その業界では有名な方のようです。
実家は代々から続く刀鍛冶師。かなりの博識で歴史などにも
詳しく、緊縛(きんばく)の話は、天岩戸の時代まで遡り、
神や宗教にも通じるものがあるようです。ゲイやSMの世界も
奥が深いなあと、聴き入ってしまいました。
ミロさんは、マニア同士の世界にとどまらず、
勉強会やレクチャーも行っています・・・

IMG_1945
・・・上映会が終わった後は、新宿のNEWOMANで親睦会を!
田中監督、見寺先生をはじめ、神戸芸術工科大学の先生、卒業生、
ファッション関連業やアーティストの方たちが集まり
盛り上がりました!・・・

IMG_1949
・・・親睦会に参加したダンサーの奥田純子さん。
リクエストに応えてパフォーマンスを!
高く上がった長い脚に、大きな歓声が!!・・・

カテゴリー: がんばろう、日本!, 作家の紹介, 地方の話しあれこれ… | コメントする

『メディチ家の至宝展』とカトリーヌ・ド・メディシスの秘密

メディチ家に伝わる珠玉のコレクションを紹介する、
日本国内初の展覧会
メディチ家の至宝-ルネサンスのジュエリーと名画』が
目黒の庭園美術館で開催されています。
2016年4月22日(金)–7月5日(火)
今回の見どころの一つは、アジアでも初公開となる
神話などをモチーフにしたカメオで、
裏表別々のモチーフを彫ったものや、
気が遠くなるほど小さく細やかなものなど、
ため息が出るものばかり。
やはり宝飾品は、
写真ではその美しさがなかなか伝わらないもので、
本物から醸し出されるオーラに圧倒されます。

IMG_1869

それとメディチ家の肖像画も素晴らしく、
あの時代のメディチ家の人々の実物が
目の前にあるかと思うと、息苦しくなるほどです。
特に興味を引いたのはカトリーヌ・ド・メディシスです。
以前Textile-Treeの『素材の話」のブログで
カトリーヌ・ド・メディシスの
「メディチ・レース」の秘密を書いたことがあり、
ぜひこれを読んでいただくと、
肖像画のレースにも心奪われるはず!

肖像画に描かれているモチーフや手にしているものなどは、
すべて意味のあるものなので、
こういうことも知って展覧会を見ると
ますます面白いでしょう!
ちなみに「カーネーション」は、
“結婚”の重要なシンボルであり
すべての人々の“母”の象徴。
“マリア”をあらわすものでもあり、
キリストの受難を象徴するといいます。

こちらのブログもぜひ読んでくださいね!

カトリーヌ・ド・メディシスの「メディチ・レース」の秘密Vol.1

カトリーヌ・ド・メディシスの「メディチ・レース」の秘密Vol.2

 

カテゴリー: 素材や本の話しあれこれ… | コメントする

「ダーウィンの書斎」小林和史さんの詩的な昆虫アート

IMG
小林和史さんの昆虫アートの作品は、
Netで拝見したことはありましたが、本物を見たのは初めて。
ひとつのことを極めるとはこういうことなのかなあと・・・。
一見すると昆虫標本を使ったアートのように思えますが、
これらは全部紙で創られた昆虫なのです。
しかもただ本物そっくりに創っているのではなく、
その昆虫が生み出された世界観が表現され、
切り抜かれた紙も小さな紙片も美しい作品となります。

IMG_1383
・・パンフレットにもなっている作品。
人物はもちろんダーウィン・・

IMG_1382
・・下の切り抜きが、
リアルな立体的なカブトムシになっている・・

IMG_1392
・・アーティストの小林和史さん・・

「僕の作品は“俳句”のようなものです」と
小林さんはいいます。

じっくり考えたり、
時間をかけてピースを組み立てて作るのではなく、
型紙は一切用いず、長年の経験と勘で、
まるで切り紙細工のように一気に切り抜く。
それを折りあげて
立体的なリアルな昆虫にしてしまうのです。

インスピレーションが湧き、
心に響いたものを一気に切り抜き
感じたままに創り上げるので、
ひとつひとつの昆虫が全部違う。
だからリアリティがあるのかもしれません。
きっと、無心のスピード感に
魂が宿るのだと思います。

IMG_1366
IMG_1373
IMG_1374

どう見ても羽にしか見えないものは
薄紙にハサミで気が遠くなるような
細かな切り込みを入れたもの。
粉がふいたようなリアルな蛾
露に濡れた美しい蜘蛛の巣。
虫眼鏡で見ても・・・
やっぱり昆虫にしか見えない。

IMG_1371
IMG_1365
IMG_1381

小林和史さんは、3歳頃から見よう見まねで
紙をハサミでチョキチョキ切って
昆虫を創っていたといいます。
昆虫採集が趣味だったお父さんの昆虫標本が
身の回りにたくさんあったこと、
お祖父さんが工芸の職人で
ものづくりの環境も当たり前のようにあったこと、
さらに小児喘息で外で遊ぶことが
できなかったことも手伝い
おのずと家で昆虫創りに没頭するようになったのです。

IMG_1367
・・シャツのボタンと比べても大きさがわかると思います・・

小学生の頃には、すでにかなりの技術で昆虫を創ることが
できるようになっていました。
同じものを創るのではなく新しいことをやりたい。
新しい技術を開発したり、新しい素材で創ってみたくなったり、
それがどんどん面白くなり、
表現はますますアートの世界へと向かいます。

IMG_1359
・・エリザベス女王の写真からたくさんの昆虫が創られ、
切り抜いた小さな紙片も、よく見ると
虫眼鏡でしかわからないほどの昆虫!!
写真の紙は全て作品にしてしまっている、
近くで見てアッと驚く、恐るべき作品。
小林さんのイメージする大英帝国が表現されているという・・

IMG_1379
・・一見、昆虫と思うが、アフリカ、インカ、
南洋諸島などを彷彿させるたくさんの仮面!・・

実は、小林さんは造形作家だけではなく
いくつもの顔を持ちます。
入社したイッセイミヤケでは
ファッションデザイナーとして、
独立後は、空間演出や舞台演出、
映像分野なども手掛けます。
SONY、蔦屋 T-SITEなどの施設の
アートディレクションにも携わるなど
その研ぎ澄まされた感性を様々な分野で発揮している
マルチアーティストなのでした。

「僕には先生がいないし、こういうジャンルも
おそらく他にはないのではないかと思います」
昆虫という分野にかけては、まさにオンリーワンの才能を発揮し、
ファーブルから、ダーウィン、そしてダヴィンチへと
イメージの世界はどんどん広がっていくのかもしれません。

IMG_1377
・・ダーウィンの書斎のイメージのディスプレイも素敵です・・

IMG_1378
IMG0002
IMG0001

小林和史さんの作品は、
2016年4月12日〜25日ま西武渋谷店B館5階で開催されていました。
落ち着いた照明のクラシックな雰囲気のメンズ売り場の中の展示は、
まさに「ダーウィンの書斎」のイメージがぴったり。
アンティークの実験道具が置かれた
研究室のようなメインコーナーの他、
売り場のあちこちに作品が展示されており、
探しながら見て歩くのも楽しい展示でした。

今度はどんな空間で展覧会があるのでしょうか、
楽しみです。

カテゴリー: 作家の紹介 | コメントする

2016 新年おめでとうございます!

あけましておめでとうございます。
お天気に恵まれた気持ちの良い元旦になりました。

2016年賀状

いよいよ、弘子姉さんの東京初の布絵展も迫ってきました。
一昨年4月、フランスのキルト展に招聘されたことをきっかけに
布絵作品集を出版したいと思うようになりました。
そして昨年の5月末に作品集の出版が実現しました。
7月に福井市と美浜町で、急遽出版記念展を開催することになり
東京でも開催しようという話が進みました。
それから半年後の1月23日(土)〜31(日)に
福井県のアンテナショップの「ふくい南青山291」で
「渡辺弘子“布絵”展」を開催する運びとなりました。

布絵チラシ表 布絵チラシ裏

美浜町と若狭町のご協力をいただき
町をあげて盛り上げていこうということになりました。
若狭・美浜のうまいもんマルシェや、
世界に誇る「水月湖の年縞のカルチャーイベントと一緒に
若狭の魅力を発信したいと思います。

弘子姉さんの布絵のことは、
2010年より編集長ブログで紹介してきました。
いずれ作品集を出版したい、
いつかは東京でも作品展をしたいと思ってきましたが、
チャンスはやってきました。

表紙(表)

2012年に『テキスタイル用語辞典』を出版したことをきっかけに
2013年には『つなぐ通信』の編集長となり、
2014年は「布絵」のフランス進出、
2015年は作品集『若狭の海に生きる』出版、
そして2016年は「布絵」の東京展開催です。
こうして毎年新しいことにチャレンジできるのは
幸せだと思います。
今年もチャレンジの年です。

やりたいこと、やらなければならないことは
まだまだあります。
今年もおそらくあっという間に時間が
駆け抜けていきそうです。

どうぞ皆さまとともにいい1年でありますように!
そして今年もどうぞよろしくお願いいたします。

カテゴリー: お知らせ, 作家の紹介, 地方の話しあれこれ…, 渡辺弘子の布絵の世界 | コメントする