渡辺弘子の布絵の世界Vol.7『こぐり』

若狭の美浜町早瀬のあたりでは、カワハギを「こぐり」と呼んでいます。
「こぐり」にもいろんな種類があるようです。
弘子姉さんの作品を見てそれがわかりました。
一般的に顔の長いものは「ウマヅラ」と呼ばれていますが
顔の短いもの、少し角張ったもの、派手なまだら模様のものなど
本当にたくさんの種類があります。オスとメスでも違うようです。


『こぐり』:海の中をこぐりが群れをなして泳いでいるような作品です。
一匹だけ群れに逆らって泳いでいるのがいます!
私の好きな作品です。


人には“ボロ裂”に見えるものでも
弘子姉さんにとっては“宝の裂”になります。
下地になっている藍染めの刺し子の布は
ご近所の方が捨てようとしたものをいただいたものです。
縁起のいい卍(まんじ)を連続柄にした
「紗綾形文様(さやがたもんよう)を縫い取ったもので
風呂敷だと思います。
あまりにもあちこちに継ぎ当てがあるので
「恥ずかしい」といって断られたようですが
そこをなんとかお願いしていただいたといいます。


弘子姉さんの作品には継ぎ当てや継ぎはぎ
繕いのある端切れが多くあります。
昔の方は、ものを大切に使い
最後の最後まで捨てようとしないので
継ぎや繕いの表現や技術が発達したのでしょう。
新品では出せない、とてもいい味わいとなっているのです。


魚が水揚げされ、活気があった早瀬市場でしたが
2009年に廃止され敦賀市場に統合されました。
このことも弘子姉さんをはじめ
地元の方たちの元気をなくしているようです。


市場の前にある魚屋が地元の方が利用する「マルテ」こと寺川商店。


純造兄さんは私たちに食べさせるために、
こぐりを一箱買ってくれました。


一番大きなこぐりを一匹頂き、お昼にお刺身にしました!
こぐりの皮はとてもかたいのですが、
こんなにきれいに剥がれるのです。だから「カワハギ」


夜はまたしても弘子姉さんの手料理をごちそうになりました。
弘子姉さんのこぐりの刺身は薄造りではなく、身厚で贅沢に!


こぐりとスズキのアラを炊いたものです。こぐりの胆もたっぷり!
食べ過ぎると鼻血が出そうなくらい濃厚です。


弘子姉さん自慢の鯖鮨も振る舞ってくれました。


沢庵を炊いたもの。これが美味しいのです!
早瀬はお魚をはじめ、何を食べても美味しい!
一説には、昔は京都に奉公に行く人が多く
そこで行儀や料理を身につけてきたからとも言われます。
素材が新鮮なだけでなく、
空気や料理する人のハートもいいのでしょうね!

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渡辺弘子の布絵の世界Vol.7『こぐり』 への1件のフィードバック

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