編集長ブログ

織田ファッション専門学校×企業コラボ2012「絆デニム」

第7回となる、織田ファッション専門学校と、
日本を代表する広島のデニムメーカー、カイハラ(株)との
デニムコラボ「絆デニム」の展示発表会が行われました。(11月28日・29日)


・・・・年々来場者数も増え、第1回目にくらべると50%増と
関心の高さを物語っています・・・・

廃棄処分されていた「デニムの耳」を使った学生作品の発表から始まり、
第6回目の昨年には、「SPA型コラボ」へと進展。
カイハラ(株)から提供された素材を使用し、学生が商品企画して制作します。
今年はさらに、ジーンズ加工では世界トップクラスの豊和(株)とも協業。
(株)カラビナ・クリエーション
の店舗で、
学生自らが販売員となり販売する、実践型の授業となります。
(今年の製品は、2013年2月末〜3月初頃から販売予定)


・・・・学生委員長の小川さん(マイクを持っている方)と、運営委員のメンバー・・・・


・・・・プレス会見のあとは、学生さんのナビゲートで説明を伺いました・・・・・

「絆デニム」は、2・3年生が中心になり
学生の運営委員がテーマを決め、
マーチャンダイジング専攻科がディレクションを行い
ファッションデザイン科がデザインを出します。
さらに運営委員がデザインを絞り込み、
ファッションテクニカル科がパターンを担当。
縫製はデザイン科、テクニカル科両方が行います。
ファッションビジネス科は、展示・販売の担当です。

昨年の「SPA型コラボ」製品の販売消化率は80%。
学生が自分たちの作った商品を自分たちで売る体験を通じ、
売ることの喜びと難しさを学びます。
嬉しくて、買っていただいたお客様と一緒に写真を撮ったり、
中には感激のあまり泣き出した学生もいたようです。


・・・・“戦闘”をイメージした「ロボット」のテーマ。さすがゲーム世代!・・・


・・・・品番や素材、プライスなどを表記した絵型もデニム素材に!・・・・

2012年は『縁〜Dear世界From日本〜』を大テーマに、
日本が世界に誇れる「技術」と「感性」の2つをもの作りのテーマにしています。
「感性」では、世界に知られている日本のキーワードとして
「ロボット」「マンガ」「ロリータ」「伝統」の4つをチョイス。
「マンガ」のクリエーションは、
ジーンズ加工のメーカーの豊和(株)と協業し、
「レーザー加工」を施したユニークなデニムを展開しました。

・・・・洋服をひとつのキャンバスにしたようなアートなデザイン・・・・


・・・・一見プリントのようですが、
「レーザー加工」で描いたものです!・・・・

「レーザー加工」は、
水や薬品を使わない“エコ”な加工としても注目されていますが
ヴィンテージ風のヒゲ加工やブラスト加工をはじめ、
デジタル化されたデータで、写真やイラストなどの細かな表現が可能です。
今回は、「タグ」のアイコンにも利用し、
テーマや素材の特徴ごとにアイコンを変えて作られました。
このアイディアはとても素敵です!


・・・・「ロボット」、「ロリータ」は女の子、「マンガ」は吹き出し、
「伝統」は刺し子風、「技術」をポイントにしたものはハサミ、
「ストレッチ素材」は、伸びのあるシャツなどのアイコン・・・・


・・・・柔らかなデニムで作られた「ロリータ」のデザイン・・・・


・・・・インディゴのギンガムチェックもいい感じです・・・・


・・・・『伝統」のテーマは、刺し子や切り子のようなテクニックを入れた作品・・・・


・・・・プリーツのテクニックがきれいです・・・・


・・・・ワンピースは刺し子風ハンドステッチ。
襟が二重になっていて取り外せます!このデザインは人気でした・・・・


・・・・シャツも刺し子風ハンドステッチ・・・・


・・・・バッグはミシンステッチで刺し子風に。「伝統」のタグは
切り子や刺し子を思わせるアイコンが目印・・・・

「技術」のテーマでは、カイハラ(株)の
「モイスト ブレスト デニム」「モーション フィット デニム」
「パウダー ストレッチ」の機能デニムを使用。
素材の機能性ばかりではなく、被服解剖学の観点から
パターンの機能性も追求しています。


・・・・「技術」のテーマのタグは、はさみがアイコン・・・


・・・・タグの裏面はヒッコリーストライプ。芸が細かいです!・・・・

「モイスト ブレスト デニム」は、
カイハラ(株)とユニチカトレーディング(株)が協同開発した「呼吸するDENIM」。
吸放湿性・吸汗速乾性に優れ、ソフトでストレッチ性のある
快適な着心地が特徴です。


・・・・「モイスト ブレスト デニム」・・・・


・・・・「被服解剖学」から研究したパターン。
袖下が脇部分とつながっている独特のパターンで、
手を上げてもシャツの裾が上がらないのが特徴。
ファッションテクニカル科2年生の高橋さん(写真左)が
いろいろ説明してくださいました・・・・


・・・・こちらは高橋さんがパターンを担当したデザイン・・・・


・・・・脇から袖にかけてのマチのあるパターンが特徴で、
この部分を見て欲しいとのこと!・・・・

「モーション フィット デニム」は、
カイハラ(株)と東レ(株)が協同開発した「新着感」デニム。
表は綾立ちがしっかりした綿デニムの顔を持ちながら、
ジャージーのようなストレッチ性があり、
しかも裏はパウダリータッチの肌触りという、
気持ちのいい着心地が特徴です。


・・・・サルエルパンツの下の部分がジャージーのような素材の
「モーション フィット デニム」・・・・


・・・・ストレッチがよく効いています・・・・

「パウダー ストレッチ」は、よこ糸に毛髪の20分の1太さの
超極細ポリエステル繊維を使用したもの。
裏面がサラサラのパウダータッチで肌触りが抜群!
しかもストレッチ性にも優れているため、
スキニージーンズに最適です。


・・・・膨らんだポケットで腰を強調したスキニージーンズ・・・・


・・・・バッグにも同じディテール・・・・


・・・・裏は、フワフワ、サラサラのパウダーダッチ・・・・


・・・・カイハラ(株)の貝原良治会長。
このイベントのテーマになっている「絆」という字は「糸偏」、
「きずな」は糸に原点があることを話されました・・・・


・・・・貝原会長は全身“デニム!”。
デニムのスーツに、胸にはデニムのコサージュ。
そして織田学園の学生さんが制作したグレーデニムのネクタイ。
デニムの糸の刺繍がいい感じです!・・・・


・・・・織田ファッション専門学校の宇佐美恵子学長も
デニムでコーディネート・・・・


・・・・このチョーカーもデニムで作ってあります。なんとご自身の作品!
それにしても首がキレイ!・・・・


・・・・今回初コラボした、倉敷のデニム加工メーカー豊和(株)の
田代豊雄社長。学生のレベルの高さに驚いていました・・・・


・・・・(株)カラビナ クリエーションの千々和 年功社長。
学生を指導し、製品化したものは同社の「ミントミントミント」
で販売されます・・・・

「絆デニム」は、今年で7年目を迎えますが、
学生は2〜3年で卒業し、新しい学生にバトンタッチされます。
学生にとっては一からのスタートなのですが、
年々レベルが上がっているように見えるのは、
その遺伝子が受け継がれているからだと宇佐美校長が話していました。
確かに、年々作品が洗練され、新しいアイディアも入れられ、
完成度が高くなっています。

「デニム コラボ」の第一回から企画アドバイスを続けている
(株)トムの柳田信之社長は、学生と企業のコラボを、
「異質な物が組み合わさることで起きる発酵」にたとえました。
今の閉塞した時代を打ち破るひとつの手段として、
利益や効率を考えない学生だからできる
「新しい発酵(新しい価値観・新しいクリエーション)」に
期待を寄せていました。
本格的な「学生ブランド」も夢ではないかもしれません。


・・・・・(株)トムの柳田信之社長(右端)・・・・


・・・・「絆デニム」の制作で出た端切れや「デニムの耳」などを使用した
「1/2ボディ」による作品。ファッションデザイン科と
ファッションテクニカル科の1年生によるもの。
好きな作品を3点選ぶ投票が行われていました・・・・


・・・・校舎エントランスホールに飾られていたクリスマスツリーの
オーナメントにも「デニムの耳」が使用されていました・・・・