情熱スクールnet!

蕎麦作り&村見学ツアーin飯舘村(byあをやま)

こんにちは。
あをやまです。
春から月一回ペースで飯舘むら(いいたてむら)にお邪魔しています。

image1
7月下旬のドンヨリ空の下、稲はスクスクと育っています。

今回初日は菅野永徳(カンノナガノリ)さんのお宅にお邪魔し、
韃靼蕎麦(ダッタンソバ)の種撒きをしました。
日本人にはちょっと 馴染みが薄いようですが
近年、抗酸化力の強いその栄養素が注目されているとか。
飯舘村は準高冷地 に当たり、栽培条件としてはぴったり。
種は普通の蕎麦に比べちょっと尖っています。
葉はその形に似ています。

image2
image3

ちょっとした打ち合わせの後、
雨が降る前に一仕事と急ぎます。
まず畑に肥料を撒いて、
耕運機で土に馴染ませ、
手で種を撒いて、
軽く土をかけ均す。
肥料も種も、面積に対して計算した量を用意します。
きちんとデータを取ながらの作業です。
準高冷地とは言え、少し動いただけで汗だくです。
そこに颯爽と耕運機に乗った永徳さんが登場。
初めて間近で耕運機が動くのを見ました。
失礼かもしれないけど、さすがプロですね。
非常に効率良く綺麗に畑が耕され、ちょっと感動しました。

image5

image6
途中、雨で休憩することに。
遠くでピカピカゴロゴロやってるんですが、青空も見える。
派手なキツネの嫁入りだな。

image7
image8
雨上がりは空気入れ換えで、急に涼しくなりました。
考えてみれば、子どもの頃の夏の夕立はこうだったかもなぁ。
奥様お手製の、取れたてキュウリの浅漬けと
淹れたてコーヒーを頂いて
優雅なリフレッシュでした。
取れたて野菜は頂いて帰り
福島の味噌にマヨネーズ合わせて美味しく頂きました。
キュウリ、インゲンは柔らかく
人参、トマトは甘かった~。

image9
村のあちこちでヒマワリ畑が見られます。
外観のためだけでなく
土に栄養を入れる目的もあるそうです。

image10
村では色々な作物を作っていますが、
セシウムを吸い上げる性質の植物もあります。
ちなみに米は籾を除いてしまうと、
ほとんどセシウムを含まないとか。
反対にシイタケはセシウムを掴んで放さないそうです。

翌日は朝から別天地の涼しさ。
途中から小雨も降って、
長袖シャツでも涼しいくらいでした。
この日は初めての、
高校生の村見学ツアーがありました。
避難解除以降大学生は来ているものの。
埼玉県立鴻巣高校1~3年生総勢24名の団体が2泊3日!
夏休み入ってすぐの週末に有志で福島とは、
どういう背景があるんだろう?と思っていたら
実は引率の先生が福島県浪江町出身で、
ここ数年被災地の見学ツアーを決行しているそうです。
現地での体験・取材は何よりの社会勉強です。
再生の会会長の田尾さんも、
本部の村民菅野宗夫(カンノムネオ)さんも
気合いが入ります。

一行が本部(宗夫さん宅)に到着したのは、午後1時過ぎ。
バス疲れか性格か、静かにゆっくり移動します。
大モニター前に座って、まず宗夫さんのお話を聞きます。
かつての村のコミュニティや、農作物の実り豊かだったこと、
震災で建物は壊れなかったこと、
以前と変わらない風景の中で
土を触ってはいけないと言われたこと、
震災から1ヶ月経って避難勧告が出たこと、
避難してから一家の活動拠点がばらばらになったこと、
使い方が確立させている科学技術も
緊急時の対処方法が分かっていないこと。

image11

高校生は黙って聞き入ります。

次に東大農学部の溝口先生の講義がありました。
土壌調査の結果、セシウムは上5㎝に溜まり下りていかないと
プリンの上のカラメルソースに例えて解説します。
だから土壌除染は、土の上5㎝取って新しい土と入れ替えたそうです。
又、雨が降った後の水は土で濾過されて綺麗な水となることも
ビジュアル交えて分かりやすく説明されました。

高校生は静かに聞いています。

image12

しかし先生があるお話をされたら、
生徒の様子にちょっとした異変が。
実は忠犬ハチは東大農学部の教授、
上野先生の飼い犬だったことから
校内に上野先生とハチの銅像を作ったそうです。
更にその記念シールを作ったと。
それを生徒に配ります。
「数枚限定で合格祈念シールもあります」。
ざわざわ。
男子生徒の一人が「農学部に入れて」と。
やっと現代の高校生らしい笑顔が見られたかな。

image22

一行は高台にある飯舘村の村役場に向かいました。
村は石の産地でもあるそうで、
立派な石のモニュメントと整備された庭からも
村のシンボル的な場所だと感じます。
ちなみに国会議事堂と同じ石を使っているそうです。
現在職員の方は村外から通っています。
日本で唯一の村営の本屋が隣接していますが、
扉は閉まったままです。
役場前には学校や老人福祉施設があります。
本来ここは、子どもからお年寄りまで
村民が集う場所だったんですね。

image13 image14

避難解除されていない地区の境に降りました。
このゲートの先には桜並木の名所があるそうです。
線量計を持って様々な場所を測定すると
高い場所、葉の陰で数値が動きます。
いずれにしても解除されたエリアと比較すれば高い線量です。
田尾さんは
「これからの被災地を支えるのは君たちだ」と言いました。
セシウムが1/2になるのに30年、
1/4になるには60年かかると考えられています。
共に考える若い世代に期待します。

image15

ところで今回、クウちゃんとミイちゃんは
歳の離れた姉妹だと知りました。
人間に換算するとクウちゃんは80歳、ミイちゃんは20歳。
え~~~!!
離れすぎだわ。(・・;)
それにしても人馴れした動物には癒しの力があるようで、
高校生もリラックス。

image20

仲良しの2匹のご飯時は
時にミイちゃん優先、
でもミイちゃんも譲ったり。
しかもクウちゃんを見ないようにして、
結構気を使ってます。
その意気でミイちゃんにも癒し猫の自覚が欲しいんだけどな。

image17
image18

やっぱり人馴れすると良いことがあります。
お宅で寛げて、あわよくばおやつのおすそ分けも貰える。
千恵子さん(宗夫さんの奥様)の横に
行儀よく座ったクウちゃんの眼差しは
「チータラ」から離れませんでした。

image19