Archive for 05, 2012

木肌をそのまま織り込む、世界初の「木織り」

2012/05/25


昨年初めて「木織り」を拝見したときは
本当に驚きました。
5月24(金)〜26日(土)まで開催されている展示会
boisette(ボワゼット)の「木織り」は、
木そのものをウッドヤーンにして織り込むものです。
まず木をカンナくずのように薄くスライスして
特殊なウレタン溶液に浸し柔らかくし
和紙を裏打ちして太さ0.6mmの糸状に裁断します。
これをよこ糸にし、たてにシルク糸を使い織り上げていくと
なんと、元の杢目の木肌が織り上がってくるのです。

・・・・たてにシルク糸、よこに木の糸を織り込むと
杢目が現れてきます・・・・

・・・・木を薄くスライスしてシート状にして和紙を裏打ちし、
糸状に細くカットします・・・・

これは「引き箔織り(ひきばくおり)」という
日本独自の織り技術を応用したものです。
薄いシート状に現れている柄を
糸状にしてその配列のまま織り上げるので
柄がそのまま現れてくるものです。
自動織機の引き箔織りで木織りができるのは
日本では桐生(群馬)と沖縄の2カ所だけそうです。

・・・・スカイツリーの東京ソラマチで販売されている墨田区の革とコラボした
木織りのサイフやカードケース・・・

・・・・屋久杉を織り込んだ帯・・・・

・・・・正面から見るとこんな感じですが・・・・


・・・・角度を変えると見え方が変わる「変わり織り」です・・・・

・・・・墨色のスチール椅子・・・・

・・・・年輪が密になっているところは色が染まりにくいので薄くなっています・・・・

今年の展示会では石巻の染織家の方とコラボし
「墨色」をテーマに(本物の墨染めではないそうです)
木目を活かした粋な墨色の新作を披露してくれました。
墨田区の革とコラボしたサイフなどの小物類は
スカイツリーの東京ソラマチの「すみだまち処(どころ)」に
区の特産品や伝統工芸保存会の職人の製品と並び
販売されています。

・・・・左は黒い縞杢のある「黒柿」、真ん中は秋田杉の「天杉」、
右は「桧(ひのき)」。桧はいい香りがしていました・・・・

・・・・1998年の群馬県の植樹祭のときに天皇陛下がお座りになった
木織りの椅子。陛下のサイズに合わせて作られています・・・・

・・・・屋久杉のランプシェード・・・・

・・・・リュウキュウマツのぬいぐるみ・・・・

・・・・釘を1本も使わない枡のような椅子・・・・

・・・・蓋を開けて中に収納ができます・・・・

・・・・椅子を製作した若い職人さん・・・・

・・・・ジャカードも織ることができます。これは下北沢一番街商店街振興組合と
コラボしたもの。シンボルマークを織り込んでいます・・・・

・・・・織り師の高橋隆男さん・・・・

木織りは技術的な面ばかりではなく
貴重な屋久杉(樹齢2000年以上)や、
天然秋田スギ(天杉:樹齢200年以上)、
リュウキュウマツなど、
貴重な原木を用いて織られることから
長寿のシンボルや、神社の木をお守りになど、
付加価値の高い縁起商品としての需要もあるようです。
今後の展開が楽しみです。

「(株)林与」麻一筋の、古くて新しい本物志向

2012/05/25

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

今回のPTJでは、近江の麻の老舗の(株)林与さんとコラボして
テキスタイル用語辞典』をご紹介させていただきました。

(株)林与さんと2日間みっちりご一緒させていただいたので
展示会の様子や、ビジネスマッチングのことなども
よくわかり、とても勉強になりました。
しかし、あまりにも一緒にいたので
取材をするのをすっかり忘れてしまい、
ほとんど写真を撮っていなかったのです。
(林社長ごめんなさい…)

林社長は、今回の展示会は
なかなかの成果があったと話していました。
新進デザイナーとのビジネスマッチングや、
中国など海外のお客様との商談にも
流暢な英語で、いつもと同じような感覚で
対応されていました。

(株)林与さんのお客様は、麻好きのお客様です。
麻に関してかなりマニアックなもの作りをしているので
それに惚れ込んだお客様がしっかりついているのです。
林社長の「麻のうんちく」を聞くのも楽しみで訪ねる方も
多いようです(林社長の人気ブログ「リネン日記」)

林社長は初めてブースを訪ねたお客様に
「うちは高いですよ」と、平気で笑いながら話されます。
「価格競争のもの作りはしません。
うちのような小さなメーカーは、
他のメーカーさんにはできないようなものを
作っていかないと、世界と勝負できないんですよ」
と話すように、時にはとんでもないものを作ります。

展示会で多くの方の目に留まったのが
明治3年創業の老舗の藍染屋である「紺九」とコラボした
ヴィンテージ・アイリッシュリネンを本藍染めにした生地です。

・・・・今回写真撮影ができませんでしたが、
これは昨年の「ジャパンクリエーション」のときのものです・・・・

今はもう手に入らない
幻のリネンといわれる「最高級のアイリッシュリネン」、
明治30年創業の麻の織元の「林与の老舗の技術」、
紺九4代目の「国文化財保存技術保持者の
森義男さんの本藍染め」、
この3つのコラボで、最高級の本藍染めリネンを仕上げました。
価格はなんとメーター40,000円!
0をひとつ間違えたのでは…と、驚かれる方も多く
「どうしてこれはこんなに高いのですか!」と
みなさん尋ねられます。
これはいわば林与の心意気を見せたデモンストレーション
ともいえるもの。
今回の展示会では、リアルクローズな素材として
インディゴ染料で染めたデニムを提案。
これもなかなか魅力的でした。

(株)林与さんの持ち味のひとつに
「古くて新しいもの作り」があります。
滋賀県の湖東地域にある会社には、山のような試験反や枡見本、
かつて織った布が無造作にストックされています。

(2010年11月撮影)

これはまさに“宝の山”なのです。
昔織ったものは、付加価値のある個性的な織りが多く
糸の状態も今のものより良いので
光沢があり、まるで麻とは思えないような洗練されたものを
たくさん見ることができます。

ここを尋ねてくるデザイナーさんは
“宝の山”から、自分の感性にぴったりくるものを探し当てます。
古いものの中に、新しいものが渦巻いているのです。
Milleturu(ミルツル)』のオーナーデザイナー
天野千鶴さんもその一人です。
展示会場に着ていらしたブラウスの生地は、
林与さんの昔織った本麻の枡見本から探し当てたもの。

・・・・ほっこりしたムードの『Milleturu』の天野千鶴さん。
生地からデザインしたオリジナルのブラウスが素敵です!・・・・


刺し子織りのドビーストライプですが
これをブランドネームに合わせた
「3本(ミ)・6本(ル)・2本(ツ)・6本(ル)」の本数の
ストライプにアレンジ。
オリジナルの柄に仕上げました。

林社長は、デザイナーさんとよく話し合われ
意向にそった生地を一生懸命に作ります。
生地は低速のシャトル織機で織られることが多いため
織る量や時間にも限りがあります。
製織が需要に追いつかないこともあり、
今回の展示会も発送が間に合わないため、
従業員の方を会社に残し、大きなトランクと引きリュックを背負い、
一人でいらっしゃいました。
前の日は徹夜したとおっしゃっていました。

それでもニコニコとお客様に対応し、
展示会が終わった次の日はミャンマーへ飛び立ちました。
近江の小さな麻メーカーさんが、もの作りのプライドをもち
世界をかけめくる姿は、カッコいいなあと思いました。
むろん、林社長はカッコなど全く気にする方ではありませんが…

 

 

「滋賀麻工業(株)」今の時代に繋ぐ、麻の伝統技術

2012/05/24

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

滋賀県の湖東地域は古くから「近江麻」の地場産業が発達し
近江商人を最も多く輩出した地域でもあります。
この地に昭和19年創業した滋賀麻工業(株)
近江麻のもの作りの伝統を受け継ぎながらも
新しいニーズに対応する新しいテキスタイル開発に
取り組んできました。

・・・・『羽衣上布』と名付けられた綿/麻の薄手織物・・・・

・・・・左はリネンの花。薄紫の愛らしい花です。右はラミー畑です・・・・

今回のPTJでは、「麻の軽さ・薄さ」を表現した綿/麻の交織を提案。
近江の国 余呉湖(よごこ)に伝わる羽衣伝説をイメージに
『近江 羽衣上布(はごろもじょうふ)』とネーミングした
軽羅(けいら:紗や絽のような薄い絹織物)のような
薄手の綿/麻織物です。

「上布」とは、上質な苧麻(ちょま)…ラミーともいいます…で
織られた薄手麻織物のことです。
『羽衣上布』のネーミングの織物は、涼しげな透け感と
「手もみ加工」によるたて方向のシボが特徴。
手もみ加工は、「近江ちぢみ」に見られる伝統的な加工で
「しぼ取り板」という洗濯板のような上で手もみ作業を行います。
手もみ作業により、強い撚りをかけたたて糸の撚りが戻り
たて方向にシボが生じます。
麻の硬さを和らげ、シャリ感とシボの凹凸感で空気の層ができ
フラットな生地にくらべ、肌に接する部分が少なくなるため
清涼感のあるさらりとした肌触りとなるのです。
現在の手もみ加工は最初は手で、あとは機械で行われています。

・・・・透け感と清涼感のある手もみ加工の「羽衣上布」・・・・

以前繊維が専門の大学教授から伺った話しですが
最近人気の「機能素材」と言われているポリエステルなどの
いくつかの「吸水・速乾素材」の吸水・速乾性を実験したところ
「昔ながらの綿や麻の楊柳やサッカー」の方が
優れているという結果が出たと話しておられました。
たとえば、綿や麻の楊柳が30分で乾くところが
「吸水・速乾素材」は1時間かかったといいます。

目新しさを求めて化学の新素材に走りがちですが
もう一度、天然素材や昔ながらの伝統加工を見直すことも
重要かもしれません。

「近江織物(株)」1856年創業の信頼と開拓精神

2012/05/23

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

滋賀県の近江織物(株)は創業1856年。
江戸時代に家業として麻織物を織りはじめ、
現在では、織物の企画、織布から仕上げ加工、縫製までをトータルに行う
県内でも有数の繊維メーカーに成長。
天然繊維、化合繊の短繊維の織物を中心に
様々な繊維を製織する「織布部門」、
仕上げ加工の「加工部門」、
繊維商社として活動している「営業部門」を揃えています。


今回のPTJでは、新しく立ち上げた「プリント部門」に展示を絞り
原糸、製織からプリントまで自社一貫生産で行う
無公害型のエコプリントシステムの
インクジェット奈染生地製造販売をアピールしていました。
スピーディでタイムリーな対応ができるのも特徴です。
また、他社にはない独自のインクジェットプリントシステムの
構築として下記の3つが提案されています。


(1)【連動プリント】
同じデータでプリント・先染め・ジャカードを表現できます。
デジタル対応ならではの技術です。


・・・・左はジャカード、右はプリント。一見、見分けがつきません・・・・


・・・・左はプリント、右はジャカード・・・・


(2)【立体プリント】
インクジェットプリントでは、キルティングやしわ加工など
凹凸感があるリアルな「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」の
表現ができます。


・・・・キルティングプリントと本物のキルティングを併用したもの。わかるかな?・・・・


・・・・しわ加工のプリント・・・・


(3)【型紙プリント】
型紙に合わせた自由なプリントができ
裁断してそのまま縫製ができるため
個性的な製品作りが可能です。


・・・・型紙通りにそのままプリントしています・・・・

・・・・そのまま裁断して縫うとこんな感じに!・・・

近江織物(株)の営業部参事の林さんは、
日本の綿紡績が海外生産へと移り
国内生産能力がほとんどないことを憂いていました。
そういう中でも近江織物(株)は整理加工を得意とし
海外で織られた綿生地などを、優れた加工技術を持つ日本で
仕上げ加工することも多いと話していました。

今回の展示会にもオーガンジー加工した
綿100%の平織りを展示していました。
現在ではオーガンジーはシルクや合繊のイメージがありますが
もともとは綿織物です。
細番手の強撚糸で織り上げたあと、酸で溶かして
透明感と張り感のある、かたい手触りにし上げます。
洗っても風合いはあまり変わりません。

・・・・ぱりぱりとした綿100%のオーガンジーが魅力的でした・・・・


・・・・プリントを施した綿オーガンジーもあります・・・・

近江織物(株)では、綿ローンのような薄地から
アラミド繊維(スーパー繊維と呼ばれる高強度なナイロンの一種)を
使用したユニフォームなどの機能性生地、
産業資材の厚地までの幅広いアイテムをカバー。
自社の総合力を活かし、さらに他社にはない付加価値をもつ
製品開発などを常に行いながら、1856年の創業以来
前を見て歩み続けています。
社訓の「共存共栄」の精神が、こうして長く続いている所以なのでしょう。

「東和ニット(株)」父息子3代、チュールにかける“研究者魂”

2012/05/22

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

展示会ではブース自体がそんなに目立たなくても
取材してお話しを聞いて、スゴイもの作りをしていることを知り
驚くメーカーがあります。
福井県の東和ニット(株)は、
1969年創業のたて編みのニットメーカーです。
(たて編みとは、たて方向に連結して編んでいく編み方で、
伸びが少なく、織物にも似たきっちりした
安定性のある編み地になります)
特にチュールを得意とし、パワーネットなども含め
自社開発した付加価値の高いもの作りをしてきました。


・・・左は社長の鈴木英彰さん(息子)、右は会長の鈴木直之さん(父)
この日は妹さんもお手伝いしていました。
ファミリー企業は温かな雰囲気でいいですね・・・

東和ニット(株)のようなニットメーカーさんは
「ニッター」と呼ばれ、ほとんどが
テキスタイルコンバータを通じてアパレルなどに
生地を提供しています。
東和ニット(株)は、素材メーカーと一緒に生地を開発したり、
研究を重ね、下着メーカーの難題に応える生地を開発するなど
“縁の下の力持ち”として活躍してきました。

しかし徐々に下着素材の需要も値段の手頃な中国製へと
移行しはじめてきました。
それに立ち向かうためには、付加価値の高いもの作りで勝負したく
自分たちの存在をもっと直接的にアパレルや
SPAを行っている企業などに知っていただきたいと
今回初めてPTJに参加しました。


・・・アパレルなどのみなさんにチュールの説明をする社長の英彰さん・・・


・・・今回は得意とするチュールやパワーネットに展示を絞りました。
風合いが柔らかで優しい肌触りの繊細なチュールです・・・

単なる“下請けメーカー”から“企画提案のできるメーカー”として
大きく方向転換しようと考え、
現会長である直之さんは、昨年息子の英彰さんに
社長職を譲りました。
いつまでも自分が口出ししていては、
息子がのびのびと仕事ができないし、
これからの時代は、新しい考えでやることが必要と判断したからです。

東和ニット(株)は、現社長の英彰さんで3代目。
「父は、どちらかというと学者肌なんです」と英彰さんがいうように
直之さんは研究好きで、難解なものに挑戦し
新しいもの作りをするのが得意。
ある時、大手下着メーカーから、通常はナイロンで作られる
刺繍入りのチュールを、耐久性を上げ、
洗濯による縮みがないようにするために
ポリエステルで編むことを依頼されました。
ポリエステルの場合、
刺繍をするとピンホールがあいてしまうことへの対処、
ナイロンよりも硬いポリエステル糸を
いかに柔らかな風合いに仕上げるかに、かなりの苦労を要しました。
しかし直之さんの研究者魂に火が付き、
なんとチュールそのものの構造を変えてしまい、その要求に応えました。
素材メーカーとの糸の開発段階では
顕微鏡写真をメールでやり取りしながらやったと笑っていました。


・・・柔らかな風合いが特徴のポリエステルの
エンブロイダリーチュール・・・


・・・通常、チュールは「六角目」が特徴ですが
直之さんが独自に開発したチュールは、
微妙な変形六角目です。素人目にはほとんどわかりません・・・

東和ニット(株)が使用している編機は
ドイツのLIBA社のラッセル編機です。
日本ではドイツのカールマイヤー社のラッセル機が多いのですが
先々代の社長(祖父)は、LIBA社のものを選びました。
編み上げた後の張り感など微妙なニュアンスが
カールマイヤー社のものとは違い
よそのメーカーには出せない味を出しているのだそうです。
「他とは違う」とい、もの作りの“研究者魂”は
おじいさんから受け継いでいるのかもしれません。


これは「失敗作なんですよ」と、英彰さんの失敗作も見ていただこうと
今回の展示会でお披露目したのは、綿/ナイロンのチュール。
幅が広くなりすぎて、後加工できる機械が存在しなくなったのが
その所以とか。
しかし、「これはこれでいい」とおっしゃっていただく
アパレルさんもあるので、今の時代の価値観のリサーチとして
「失敗作」も重要なのだといいます。


・・ほんの少しですが、こちらも試作品。
メタリック糸やシャンブレー調で編んだもの・・・

実は、英彰さんは、最初から家業を受け継いだのではなく
今までIT企業で働いていました。
そういう面では、思考回路も先代、先々代とは違う発想を
お持ちのようです。
未だ作られていない東和ニット(株)のホームページを
「私は形ばかりのものでもいいので早く作って欲しいのですが
息子は自分のイメージがあるようで、
かなり凝ったものを考えているのか
なかなか作ってくれないのですよ」と直之さんは苦笑していました。
どんな新しいホームページができるのか…
英彰さんの心意気があらわれるものと、期待しています。

 

 

「(株)パノコトレーディング」のオーガニックコットン哲学

2012/05/20

2013 S/Sプレミアム・テキスタイルジャパン(PTJ)」でご縁があった
素材メーカーをご紹介します。

(株)パノコトレーディングは、
オーガニックコットンの原糸の輸入・販売をはじめ
生地の企画・製造・販売を行っている会社です。
「オーガニックコットンは、日本ではアトピーの方にも安心とか
使う側のメリットに目を向けられがちですが
実は生産者の貧困や不平等、健康への危害をなくす
大きな役割を担っているのですよ」と、
オーガニック事業部の長尾さんが熱く語ってくれました。

・・・インドのオーガニックコットンの作業風景・・・


・・・PTJのブース。グレーのパーカの後ろ姿の方が長尾さん・・・・

(株)パノコトレーディングでは、世界的にも有名な
オーガニックコットン・プロジェクトの『bioRe COTTON INSIDE』
『Swiss Cotton』などとパートナーシップを組み
原料の輸入のみならず、積極的にプロジェクトに関わり
持続可能な開発パートナーとして
インド、タンザニア、ペルーなどへの支援を行っています。


・・・『bioRe COTTON INSIDE』の商標マーク・・・

『bioRe COTTON INSIDE』は、スイスのREMEI社が
インド(1991年〜)とタンザニア(1994年〜)で行っている
オーガニックコットン・プロジェクトです。
オーガニックコットンを買い取るだけではなく、
この地域の人々が自立していくために、
有機農法に関する教育の場の提供、子どもの教育支援
生産者や地域の人々の健康に関するインフラ整備など
さまざまな仕組みを構築しています。

パノコトレーディングもインドのKalakhet村の
Animation Schoolの学校建設や運営のサポートをはじめ、
文具制服、スポーツ用品などを送ったり、
タンザニアのMwanyahima村には井戸を寄付しています。


・・・『Swiss Cotton』の商標マーク・・・

『Swiss Cotton』はスイスで紡績された糸のみに与えられる名称です。
『Swiss Cotton Organic』は、アメリカ産のスーピマ綿を使用し、
スイスで紡績したオーガニックコットンで、
シルクのような光沢感と滑らかな肌触りを持つ
最高品質のオーガニックコットンとして知られています。
パノコトレーディングでは、スイスのHermann Buhler社より
オーガニックコットンを輸入し、主に60/1、90/1の
細番手の糸を用いた生地を企画。
今回のPTJにも高密度なラグジュアリーコットンを提案していました。

ペルーからは、オーガニックコットンの世界的な先駆け企業でもある
『Bergman Rivera SAC』とパートナーを組み
オーガニックコットン・プロジェクトの『SACHAGREEN PROJECT』に参加。
生成り綿(WHITE COTTON)と
綿の原種とも言われる貴重な茶綿(WILD COTTON)を輸入しています。
生産量が減少している茶綿はペルーの生産者と契約栽培を行うことで
生産維持を図っています。

今回のPTJで、パノコトレーディングは
“素朴さ”“ナチュラル感”だけのイメージに偏りがちなオーガニックコットンを
新しいイメージで打ち出そうと4つの企画を提案しました。

【1】「ラグジュアリー」企画
90/1の極細のオーガニックコットンを使用した
高密度なラグジュアリーコットン企画。
シルキーな光沢のあるサテンやタイプライタークロスが提案されています。

・・・90/1の高密度サテン。品のいい光沢です・・・


・・・90/1の高密度のタイプライタークロス・・・

【2】「草木染め」企画
ブースで一際目を引いた鮮やかな色は、
草木染めのオーガニックコットンです。
草木染めでこのような鮮やかな色が出せるのかと驚きましたが
京都の染屋さんが2年がかりで開発したそうです。
草木染めの先染めチェックは、
山梨県の富士吉田のメーカーとコラボしました。
欧米では、オーガニックコットンを化学染料で染めることが
一般的になっているようですが、
パノコトレーディングでは草木染めで鮮やかさを表現しました。
とても新鮮でした。


・・・鮮やかな草木染めのオーガニックコットン・・

【3】「高野口パイル」企画
和歌山県の高野口はパイル織りの産地でもあり、
ベルベット、電車の椅子張りに使われるモケット、
国会議事堂にあるような高級椅子張りの
金華山織り(きんかざんおり)など
さまざまなパイル織りが織られています。
この高野口産地とコラボしたのが
こちらのモコモコ、フワフワしたパイル織りです。


・・・「チンチラ」と名付けられたオーガニックコットン・・・


・・・裏表に毛羽のある気持ちいいパイル・・・


・・・ポンキッキから名付けられた「ムック」・・・

モップのように毛足の長いものから、
リバーシブルになっているものなどバリエーションも豊富。
「チンチラ」、子供番組『ひらけ!ポンキッキ』の
毛むくじゃらのキャラクターの名からとったという「ムック」など
素材にはユニークな名前が付けられています。

【4】「刺繍」企画
刺繍を施した装飾的なオーガニックコットン。
ガーゼのラフ感と可憐な刺繍が優しさを増しています。


すでに「オーガニック=ブランド付加価値」ではなく
オーガニックコットンの新しい表現の時代に突入してきています。
既成概念を打ち破り、しかし本質は変えないもの作りの
パノコトレーディングに、多いに期待が高まります。

プレミアム・テキスタイル・ジャパン2013 Spring/Summer

2012/05/14


第3回目となる「Premium Textile Japan 2013 Spring/Summer
(以後PTJ)が5月9・10日に開催されました。
利便性のいい有楽町の東京国際フォーラムでの
開催ということもあり、国内外からの来場者で賑わい
かなりの手応えを感じた出展者も多かったようです。


今回はトレンドコーナーを設立。
2013春夏トレンド・ディレクションとして
「サマーバレンタイン」「アートピクニック」「女子力」「構造空間」の
4つのテーマが提案されました。

PTJは(社)日本ファッション・ウィー ク推進機構(JFW推進機構)が
主催する、付加価値の高いもの作りができる
テキスタイルメーカーの展示商談会。
ファッションマーケット再生に向け、
感動と共感の「オンリーワン」の価値を創り出し、
新しいクリエイションの連携を生み出していく事を目的に
62の企業(うち海外6社)が参加しました。


・・人気ブースの1955年創業の『(株)日本ホームスパン』。
昔ながらの手染 め・手紡ぎ・手織りのホームスパンの技術を受け継ぎながら、
企画から生産までを 自社で行うツイードメーカー。
世界のスーパーブランドからも注目されています・・・


・・・スポーツや産業資材など合繊長繊維織物で国内最 大の生産背景を持つ
『丸井織物(株)』。今年、マルイテックス「MARUITEX」を商標登録し、
ブ ランドとして立ち上げ、商品提案を行っています・・・


・・・昭和25年設立のカットソーの 縫製メーカー『カスガアパレル(株)』。
今回は、毛羽が少なく、吸水性に優れ、軽さが特徴の和紙カットソーを提案。
会場ではこのパンフレットを持った人も多く見かけました・・・


・・・明治25年藍染め工場と して創業した『坂本デニム(株)』。
藍染め技術をデニム染色に活かし、環境への負荷を大きく低減した
「エコ染色 システム さかもと染太郎」を提案・・・

毎回好評なのが、VIPバイヤーを紹介する「ビジネスマッチング」企画。
PTJのアテンドで有力アパレルや注目の若手クリエーターと
具体的な商談が進められます。
今回は海外市場への発信にも力を入れ
ジェトロ(日本貿易振興機構)が海外バイヤーの招聘(しょうへい)を
行い、中国から一流アパレル4社を迎えました。

今回、麻の老舗の「林与」さんで『テキスタイル用語辞典
販売する機会を得たおかげで、
2日間会場でビジネスマッチングの様子などもしっかり拝見。
PTJが小規模ながらも中味の濃い展示会となっていることを
確認できました。


9日の展示会終了後はPTJ出展者やバイヤー、関係者の
ビジネス交流会が開催されました。
JFW推進機構の三宅正彦理事長は
JFWが、国内はもとより海外への交流を積極的に進め
ビジネスの発展を図りたいと挨拶。
4月30日には枝野経済産業大臣がインドを訪れ
インドのアナン・シャルマ商工大臣と会談しました。
日本の中小企業が得意とする繊維産業や食、アニメなどの
「クリエイティブ産業」をインドに広めるために、
相互の企業間の連携や投資促進を進めることに合意。
人口12億の巨大市場のインド戦略に官民挙げての取り組みが
積極的に行われようとしています。


・・・挨拶をするJFW推進機構の三宅正彦理事長・・・

経済産業省は、東京をアジアの「クリエイティブ・ハブ」とする
「CREATIVE TOKYO」構想の一環として、
3月24日に銀座で初めての野外ファッションショー
銀座ランウェイ」を開催しました。
震災から一年を迎えるこの時期に
日本を元気にし、希望が持てるイベントとして、
日本の素材・産地・製造技術・クリエーションを世界に発信。
「JAPAN DENIM」をテーマに、カイハラ(株)などのデニムが
使用されました。


・・・挨拶をする経済産業省の渡辺哲也氏・・・

「CREATIVE TOKYO」構想は、
東京をアジアのクリエイティブ・ハブとする構想です。
これらのイベントの中心となり、
今後の繊維産業発展のキーマンともなる
経済産業省の
クール・ジャパン海外戦略室長/クリエイティブ産業課長の
渡辺哲也氏も挨拶されていました。

次回はPTJでご縁があった企業の取材をアップしていきます。